◇待ちに待った劇的な瞬間! |
鹿児島の下川。山形の亀の尾伝承者、阿部亀治子孫の阿部耕祐さんと初対面した記念すべき瞬間だ。これが一番我々が思い浮かべてきた重要な場面だった。あの阿部家の血筋の方に会ってお礼を述べたい。頭を下げたい。亀の尾が本当に希望の種として絆を深めるものにしたい!その為には心から繋がり継続してお互いの地域が良くなっていかねばならない。行政の大きなプロジェクトと違い一個人、民間の小さな動きではあるが、夢も期待も大きく育ててみたい! |
阿部耕祐さんと下川幸春さん |
◇山形が誇る米の品種資料 |
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米品種と系統の資料の展示。品種については独自に調べてもらいたい。見ただけでもこれだけの違いがある。部位各所がそれぞれに異なるのが興味深い。一番右に赤い文字で「つや姫」とある。新品種で県で奨励し一番売り込みをかけている銘柄。その意気込みや力の入れ様は半端じゃない。また、本当に美味しいのだ! |
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◇「亀の尾」顕彰田の視察:小さな亀ノ尾“農業土手サミット” |
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阿部亀治翁の阿部家子孫が残す「亀の尾」の栽培田。詳しく説明されているのが元阿部亀治顕彰会会長であり、山形県で多くの農家さんへ農業指導をされてきた株_村通信社という出版社の常務の「松浦一宇」氏。稲作技術で農家を結ぶ月刊誌。80年も続いているらしい。ここで初めて「米だけど、されど米」の山形の米に対する意気込みを感じることになった。経験から得たデータと徹底した周到な管理や米に対する愛着が一言一言感じた。ともに松浦氏の人物にも興味が沸いて来た。この日は台風の影響で強風。不思議だ鹿児島では一雨ごとに自然と倒伏していく品種だと思っていたが、台風の強風でも倒れていない。今年はなぜか?倒れていないと松浦氏も不思議だと言われた。我々が視察に来るのを亀治翁が守っていてくれたのかも知れない。一時のブームで終らせないのが「亀の尾」を産んだ亀治翁への恩返しではないだろうか?継続して取組む姿勢を改めて実践して伝えている蔵元「鯉川酒造」も地元の篤い有志のお一人だ。
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米に関して細かく松浦さんが説明、また指導をしていただいた。下川さんも鹿児島での亀の尾栽培で得た経験を語りながら情報交換をする。身を低くして稲の穂や生育状況を観察する。普通の農家さんは毎年のことでさほど珍しくもないだろうが、我々にとっては毎年が異なる環境の中での取り組みだけに油断の出来ない責務を感じながら栽培してきた。農家ではない私が農家以上に米を観察する姿は「何が解るか?農家じゃないのに・・」と失笑することもあるが、解らないから農家さん以上に小さなところまで気になる。また、それを委託契約を媒介する手前、厳しく責任を持って管理するのが務めだとも考えている。この風景凄いことだ。下川さん、阿部さんを含め田んぼの土手一列に並んで小さな亀の尾“農業サミット”だ! |
鹿児島・山形:亀の尾“農業サミット” |
◇一夜目の宿「余目ホテル」 |
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一日目、お世話になる余目ホテル。駅前の昔懐かしい旅館。部屋も何もかもレトロ。財部町にも日豊本線財部駅の前に谷口旅館というのがある。鉄道離れで宿泊客も少なくなって街も寂れていくのが実情。その中でこの佇まいを残してもらえるのは嬉しいことだ。出張族にとってもしばしの癒し空間を味わえるスポットになりそうだ。女性の一人旅にも、友達と相部屋で過ごしても最高のお薦めの宿だ。今夜は |
◇どれが・・いいかなあ?・・交流会会場・商工会議所内「コア・アルザ」にて |
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懇親会用に準備された地元の酒やワイン |
鹿児島から持参した本格芋焼酎 |
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曽於市長メッセージの後、昨年の大雨で甚大な災害に遭った曽於市財部町中谷地区を代表して「希望の種」を贈っていただいたお礼の言葉を述べる“びっきょの会” 鬼丸久雄会長。薩摩鹿児島と山形との歴史的関係、西郷さんの敬天愛人の言葉など南州神社等の深い関わりも交え、一気に我々の感謝の心とこれからの思いが伝えられた。このお陰で全ての挨拶が終った後は一斉に無礼講の嵐になった。庄内町にある鯉川酒造の高松誠吾杜氏とも同席になって地元のお酒を酌み交わした。 |
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地元町長の挨拶から庄内藩元藩主“酒井忠久”氏などの挨拶もあった。この正面に座られているのがその現当主酒井氏。温海町と曽於市大隅町の戊辰の役の壮烈な戦いの経緯や西郷、桐野利秋との関わりがあり、その話を聞かれると、うなづかれて隣の庄内町議会議長「富樫透」氏がそうですか?と聞くと「その通り」と言われた。 想像以上にすぐの皆さんと打ち解けて、沢山の方々と話しに夢中になった。大震災の話、被災の事、互いの歴史の話、そして米(亀の尾)作りと農業、酒造りの話と話題はどんどん広がっていった。 |
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二次会は宿の「余目ホテル」の大広間。商工会議所の懇親会場から歩いて帰り、すぐに突入!議員さんも関係者も意気投合を超えて前向きな話題が炸裂全開。地方の意気込みと負けん気はどこも同じ。そうでなければ生き残っていけない。日本を支えているのは南も北も地方の力だ。この夜はここだけが燃えているかのように盛り上がった。やっぱり、皆、いい人ばかりだ。訪ねてきた甲斐があった。また来ますと固く約束した夜だった。 |
◇鹿児島と友好!「南州神社」 |
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空港から余目に向かう途中に「南州神社」がある。当初、会津と薩摩のように遺恨が残るような思いが山形にもあるのでは?ないかと心配していたが、あの仙台で島津藩七士の墓を篤く処遇されているように山形でも心配することでは無かった。やはり、西郷さんらの計らいがここでも通じていたのである。ここでも神様として崇めたてられていることに驚いた。 |
◇亀の尾で仕込んだ日本酒 : 清酒蔵『鯉川酒造』 |
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亀の尾発祥の地だけに伝承も復活も顕彰も栽培にも力を注ぐのはどこにも負けていない。食用米亀の尾を清酒用酒米として取り上げ考え出し、一躍、ブームに火を着けたのも地元清酒蔵だ。一時はコミックに掲載され、TVドラマ化し、亀の尾サミットなども開催された。その影響から「侍士の門」や亀の尾で仕込む焼酎「甕御前」も誕生した。山形に来たら、その亀の尾を早くから目をつけ、人並以上に関わってきた人物と蔵元に立ち寄らねば、話にならない。それは清酒「阿部亀治」という清酒を製造する『鯉川酒造』。北海道の出張から帰られたばかりの社長から亀の尾にかけてきた物語りと実績、そして栽培から品質管理、造りまでの一貫した考え方までを聞くことができた。裏にある田んぼも見せていただいた。蔵元なのに面白い人物だ。我々と肌が良く似ている。これが私の理想とするところだ。早く、逢いたかった。亀の尾(夏子の酒)ブームも去り、当たり前に慣れ過ぎて価値感が薄れた酒販店や消費者も感じられるが、物語や継続の難しさ大切さ有難さを知るものからすれば、鯉川酒造の佐藤社長の考え方は一寸も違わず一致する。だからこそ、流行に流されず伝えていかねばならないと思った。 |
◇阿部亀治翁顕彰会 祭事:小出新田八幡神社 顕彰碑前にて |
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雨の中、阿部亀治翁顕彰祭が執り行われた。80年以上も続けられている。一農一個人に対してここまで大切にされている故人に大きな敬意を感じた。奉典には阿部家、顕彰会会長、八幡神社氏子氏子会長、中村熊谷神社氏子会長、庄内町議会議長、庄内町農業委員会会長、最上川土地改良区理事長、庄内たがわ農業協同組合代表理事組合長、余目町農業組合代表理事組合長、山形県農業総合研究センター水田農業試験場、山形県庄内庄内総合支庁産業経済部農業技術普及課長、庄内農業共済組合組合理事長、第四学区部落会長会会長、鯉川酒造株式会社代表取締役、亀ノ尾栽培者代表、鹿児島県・曽於市「びっきょの会」代表、小出新田部落部落会長ら他多くの関係者が参加。 |
玉串奉典
庄内町町長:原田眞樹氏 |
◇顕彰会にて市長メッセージ届ける |
◇天皇献上酒で顕彰の杯 |
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池田孝曽於市長 のメッセージを顕彰会の挨拶の冒頭で読み上げるのは曽於市役所企画課の荒武さん。昨日の懇親会に続き、緊張の連続。まさか・・こんなに厳かで歴史のある会だったとは本人の感想。 |
阿部亀治顕彰会で出された阿部亀治という大吟醸。鑑評会受賞した銘酒で天皇献上酒された「阿部亀治」。蔵元にこの日の為に少しだけ残してあったもので、極上のひと時を心行くまで堪能させていただいた。 |
◇阿部家訪問 |
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阿部亀治翁が住んでいた家へ挨拶に伺った。県議・町長と一緒に仏壇に手を合わせて、今回の件のお礼と報告をした。鴨居に掛けてある受勲の証を見せてもらった。阿部家子孫の嬉しいやさしい言葉もかけていただいた。山形まで来て本当に良かった。 |
◇歴史・文化:藤沢周平記念館・致道博物館など |
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唯一、山形探訪として歴史や文化を紹介してもらった。見識を広げるために立ち寄った。 |
◇山形が一押しの食用米「つや姫」:地元飲食店・蔵屋敷LUNAにて |
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今、山形県が一番売り込みに力をかけているのが「つや姫」という米だ。顕彰会でも試験場所長から説明があった。鹿児島へ帰る直前の昼に立ち寄った料理店でもノボリを立ててPRするほど積極的である。びっきょの会の下川さんらがさっそく「つや姫を!」と頼んだ。御ひつから本当に艶のある香りも粘りもある実に美味い“ご飯”!!つい、おかわりが出てしまった。まだ鹿児島では奨励を聞かないが、全国では大分まで栽培が始まっているらしい。良い情報は早く物にしなければ農業も進歩も競争にも勝っていけないのでは? |
◇山形県の特約店紹介 |
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酒処だけに日本酒が店内いっぱいのうめかわ酒店さん。その店先には「侍士の門」の天幕。業務店商いだけじゃない。来店客のために陳列してある店内。消費者目線と同じ酒屋目線で見ても良い店だと納得できる内容。この日、鹿児島から来たあ客さんで店内は満杯。「もう閉めてもいいくらい、買ってもらいました・・」風評被害もあると心配していたので、少しは元気が出てくれたかな? |
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